TDEに関連する初期化パラメータ
TDEを構成するうえで、まず押さえるべき初期化パラメータは次の2つになります。
WALLET_ROOT— Keystore(ウォレット)を格納するディレクトリツリーのルートを指定TDE_CONFIGURATION— TDEが使用するKeystoreの種類(FILE / OKV など)や、united / isolated の前提となる設定を定義
それぞれについて確認していきます。なお、以下の実行結果はTDE構成前の実行も含めています。
WALLET_ROOT
Section titled “WALLET_ROOT”WALLET_ROOT は、PDBごとのサブディレクトリを含むウォレット/キーストア格納ツリーのルートパスを指定します。
デフォルト値はなく、**静的(再起動が必要)**なパラメータです。
以下の実行はTDE構成前の結果となります。
SQL> select inst_id, name, value, issys_modifiable from gv$parameter where name = 'wallet_root';
INST_ID NAME VALUE ISSYS_MODIFIABLE__________ ______________ ________ ___________________ 1 wallet_root FALSEデフォルトでは何も設定されていないことが確認できます。
また、ISSYS_MODIFIABLE の値が FALSE であるため、設定の反映に再起動が必要になります。つまり、SPFILEへ設定する静的パラメータであることが分かります。
TDE_CONFIGURATION
Section titled “TDE_CONFIGURATION”TDE_CONFIGURATION は、ルートコンテナ(CDB$ROOT)がTDEで使用するKeystoreの種類を指定します。
統合モードでは、united PDBはCDB$ROOTの値を継承し、分離モードではisolated PDBは個別にKeystoreを持ちます。(個別に設定することで分離モードとなります)
以下の実行はTDE構成前の結果となります。
SQL> select inst_id, name, value, issys_modifiable from gv$parameter where name = 'tde_configuration';
INST_ID NAME VALUE ISSYS_MODIFIABLE__________ ____________________ ________ ___________________ 1 tde_configuration IMMEDIATEこちらもデフォルト値はなく、何も設定されていないことが確認できます。
一方、ISSYS_MODIFIABLE は IMMEDIATE のため、この設定は即時反映される動的パラメータであることが分かります。
TDE周辺の関連パラメータ
Section titled “TDE周辺の関連パラメータ”TDEの「Keystore配置・種別」そのものは WALLET_ROOT および TDE_CONFIGURATION が中心ですが、表領域の暗号化の既定動作に関係するパラメータも、環境によっては最初から設定されていることがあります。
TABLESPACE_ENCRYPTION
Section titled “TABLESPACE_ENCRYPTION”データベースの表領域暗号化ポリシーを指定し、新規表領域暗号化の扱い(自動/手動など)に関係します。 OCIのデータベースサービスでは暗号化が強制的に行われるため、設定が一部無視される旨も記載されています。
DECRYPT_ONLYに設定しても無視され、クラウド・データベースは、設定がAUTO_ENABLEであるかのように動作します。
ENCRYPT_NEW_TABLESPACES
Section titled “ENCRYPT_NEW_TABLESPACES”新しく作成されたユーザー表領域を暗号化するかどうかを指定します。
26aiでは使用は非推奨となっており、代替として上記の TABLESPACE_ENCRYPTION パラメータを使用します。
TDE_KEY_CACHE
Section titled “TDE_KEY_CACHE”Oracleプロセス間でTDEマスター暗号キーの共有を有効または無効にします。
TDEの鍵管理にOCI KMS(OCI Vault)を使用しているデータベースのみで使用できるパラメータです。
TABLESPACE_ENCRYPTION_DEFAULT_ALGORITHM
Section titled “TABLESPACE_ENCRYPTION_DEFAULT_ALGORITHM”表領域の暗号化時にデータベースで使用されるデフォルトのアルゴリズムを指定します。 26aiからはGOST、SEEDはサポートが終了となっています。しかし、HP Itaniumプラットフォームを除いて、Oracle AI Database 26aiではGOSTおよびSEED復号ライブラリが使用できるため、アップグレード後に復号することは可能です。
初期状態では各パラメータは以下のようになっています。
SQL> sho parameter tdeNAME TYPE VALUE-------------------------------- ------- ---------------------------one_step_plugin_for_pdb_with_tde boolean FALSEtde_configuration string keystore_configuration=filetde_key_cache boolean FALSE
SQL> sho parameter encryNAME TYPE VALUE----------------------------------------- ------ -------------encrypt_new_tablespaces string CLOUD_ONLYtablespace_encryption string MANUAL_ENABLEtablespace_encryption_default_algorithm string AES256tablespace_encryption_default_cipher_mode string XTS