0. イントロダクション#

このページでは、Oracle Database の Database Vault についての簡単な説明と、そのサイトにて行う手順の流れを説明します。

Database Vaultとは#

Oracle Database Vaultは、特権ユーザーによる不正アクセスや操作を防止し、データベース内部での強力な分離制御を実現する機能です。 Oracle Database Enterprise Editionの追加ライセンスオプションの1つとして提供されており、Oracle Database Cloudサービスでは「High Performance」以上のエディションにてお使いいただけます。

主な機能として「レルム」を使ったスキーマおよびオブジェクトへのアクセス制限、「コマンド・ルール」によるSQLクエリの制御等があります。 これらの制御機能により、DBAなどの強力な権限を持つユーザーの操作に対しても制限することができ、大規模組織での分掌管理や規制対応が容易になります。

このサイトで行う手順の流れ#

Database Vaultを体験するための手順として以下を用意しています。

体験していただく手順としては、1. ~ 3., 5. だけで問題ありません。時間的に余裕があれば 4. もやってみてください。

この手順で行うシナリオは以下の画像のようになります。始める前に確認しておくと理解が捗ると思います。

../_images/dvdemocase02.png

「3. Database Vaultの動作を確認する」にて確認する動作のイメージ#

また、Database Vaultには様々なコンポーネントが出てきます。すでに作成したものは何か、どのような名前だったかなど、確認したい場合もあると思います。
そのようなときのために、よく使う確認クエリを以下のページにまとめていますので、手順を進める中の参考としてご利用ください。

以下、各手順ページにおける手順の簡単な内容説明です。

1. Database Vaultの有効化#

Database Vaultの構成および有効化を行い、その後Database Vaultの管理者ユーザーを作成します。

2. Database Vaultの準備 (レルムの作成と認可)#

Database Vaultを有効化しただけではまだ強権限を持ったユーザーはデータを閲覧できてしまいます。
そこでこの手順ではレルムと呼ばれる保護領域を作成し、保護したいオブジェクトをレルムに登録します。
その後、そのレルムにアクセスできる認可設定(レルム認可)の設定を行います。

3. Database Vaultの動作を確認する#

設定したレルム認可が正しく動作し、許可されたユーザーのみがデータを閲覧できることを確認します。
ここで行う動作確認イメージとして、上記のイメージ図も参考にしてください。

4. 二人制整合性を設定・体験する#

Database Vaultのコンポーネントを組み合わせることで、あるユーザーに対して、特定のユーザーがログインしている場合にのみ、接続(またはコマンドの発行)ができないようにすることができます。
これを「二人制整合性」または「二人制ルール」と呼び、この手順ではこの設定および動作確認を行います。
最後にこの二人制整合性設定を削除し、手順3が終わった状態までに戻します。
../_images/dvdemocase03.png

二人制整合性のイメージ#

5. Database Vaultを無効化する#

最後に環境の掃除として、ここまでの手順(1~3)で設定・作成したコンポーネントを削除し、Database Vaultの無効化を行います。